「少ないアクションで質の高いサービスを提供する」
成長し続けるBPO事業を支えるネットワークは10年後を見据えて強化されている

株式会社プレステージ・インターナショナル 様

株式会社プレステージ・インターナショナル(以下、プレステージ・インターナショナル)は1986年に創業、BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業において、現在7つの領域で事業を展開している企業だ。ロードアシストサービスなどを提供する「オートモーティブ事業」、住宅・駐車場でのトラブルの総合的なサポートを行う「プロパティ事業」、海外旅行保険や駐在員向けヘルスケアプログラムなどのサービスを提供する「グローバル事業」など、各領域で提供される付加価値の高いサービスが評価され、企業の売上高は2013年東京証券取引所一部上場以来、安定的に推移している。
長期にわたり質の高いサービスを提供している同社のビジネスは、どのような基盤が支えているのだろうか。国内に展開するBPO拠点を結ぶITネットワークに注目し、インフラの要となる基幹スイッチにArista Networks社(以下、Arista)の製品を導入した経緯を聞いた。

これまでの10年とこれからの10年

プレステージ・インターナショナルのインフラ基盤は、IT統括本部 開発運用統括部 インフラオペレーション部 インフラ運用保守課のメンバーによって構築・運用されている。ビジネスの重要拠点でもある秋田BPOメインキャンパスでは、長く運用してきたネットワークスイッチのリプレイスを検討していた。
「秋田BPOメインキャンパスのインフラは老朽化していました。それに加え人員不足でリソースの確保や教育も追いつかず、運用負荷は高くなる一方でした。」同課の伊藤 悠平氏は語る。

「2012年に構築されたネットワークはメーカーもバラバラで管理も煩雑。限られた人数ではとても運用できないと考え、リプレイスする際には今後10年使えるものにしようとメンバーと検討を重ねました。」

IT統括本部 開発運用統括部
インフラオペレーション部
インフラ運用保守課
伊藤 悠平 氏

事業が拡大し拠点も拡充される中、10年前に構築されたネットワークは刷新の時期を迎えていた。ビジネスのIT化に伴ってネットワークは高速化し、インフラ基盤に求められるパフォーマンスや安定性といった要件はより高くより厳しくなっている。一般的にネットワークをリプレイスする際には、同じメーカーの後継モデルを選択するケースが多い。設定の移行がしやすく運用方法が変わることが少ないからだ。 同社インフラ運用保守課では、そのような選択肢はなかったのだろうか?

「確かに既存の踏襲であれば、これまでの実績があるので運用面では安心です。しかし、今までの課題が解決しないのであれば意味がないという話になりました。」 導入の候補としては、当初4社の製品が検討対象に挙がったというが、最終的にAristaが選ばれる決め手となったのは「Cloud Vision」による「可視化」と「自動化」だった。

<Cloud Vision>
Aristaがオンプレミス/SaaSで提供している管理ツール。 Arista製スイッチを登録することで設定の一元管理、コンフィグ作成・投入の自動化、バグや脆弱性のコンプライアンスをリアルタイムで可視化。また管理下のスイッチから情報を即時に収集することで、ネットワーク接続構成の可視化やトラブルシュートの迅速化を図ることができるなど、ネットワーク運用を大幅に改善するための機能を複数提供。

「運用負荷を軽減」だけで社内を説得するのは難しい

現場で一番大きな課題となっていたのが運用負荷である。今後10年を見据えると将来的に運用を自動化できる機能は非常に魅力的だ。だが、大々的なリプレイスにおいて「運用が楽になる」という理由はマイナスをゼロに変えるだけという印象になりがちだ。よりプラスになるという説得材料が必要となる。
「Aristaの製品はデータセンターに特化しており、性能的にも要件を満たしていました。何よりCloud Visionは私たちのニーズにマッチしていたので、Aristaを第一候補として、上層部とも検討を重ねました。そして大きな後押しになったのはノックスの保守スキームでした。」(同課 藤原 忠弘氏)

IT統括本部 開発運用統括部
インフラオペレーション部
インフラ運用保守課
藤原 忠弘 氏

プレステージ・インターナショナルのビジネスを支えるBPO拠点(コンタクトセンター)は24時間365日稼働している。昼夜を問わず対応できる体制であるが故に、万が一ネットワークの障害が発生してしまうとその影響は甚大なものになる。
導入・構築支援を行ったノックス株式会社(以下、ノックス)では、24時間365日対応の保守サービスも提供しているが、機器交換となった場合は代替機の準備やキッティングなどに掛かる時間も考慮する必要があった。

「機器障害が起こった場合に備えて、特別に保守用の機材を当社のデータセンター内に常備してもらえるようにしてもらいました。それにより、障害発生時にも迅速に対応することができます。こちらの要望を受け入れ、ここまで柔軟な保守体制を用意していただけたのはノックスだけでした。それに、提案から導入、構築支援、そして運用保守までを一貫して見てもらえているという信頼感はかなり大きく、他社にはないものでした。」(同課 齋藤 潤氏)
これまでの1Gから10Gへネットワークの広帯域化に対応できるという点も、成長を続ける同社にとっては安心材料になったはずだ。 こうしてプレステージ・インターナショナルでは、基幹スイッチ並びにネットワークの各接続部にAristaのスイッチを導入することが決まったのである。

IT統括本部 開発運用統括部
インフラオペレーション部
インフラ運用保守課
齋藤 潤 氏

可視化による恩恵は予想以上だった

メーカーが異なる製品へのリプレイスは、事前準備や検証など非常に工数が掛かる。同社も時間を掛け、段階的に機器の入れ替えを実施していくことになった。全ての基盤のリプレイスは終わってはいない段階だが、ここまで運用する中で予想以上の収穫があったという。
「AristaのCloud Visionでは、インターフェースの状態、トラフィックのフローなど何十台もの機器の状態が1つの管理画面で確認できます。意図的に確認しようとしなくても様々な情報が可視化されることで気付きが増え、ネットワークを運用する上でものすごく楽になったなという驚きがありました。」(伊藤氏)
ネットワークトラブルの原因として多いのは、人的ミスによるものだろう。コマンド入力の機会を減らすことはそのリスクを軽減するだけでなく、運用の工数を減らすことにもなるので大きなメリットを得られる。加えてCloud Visionでは構成情報やコンフィグの一元管理もできるため、日常的な業務だけでなく設定変更などの定期的な作業についてもより少ない工数で進めることができるのだ。
運用負荷軽減を目的とした今回のAristaの導入は既にその成果を見せ始めている。

「人」を大切にする事業だからこそ見えているもの

プレステージ・インターナショナルの事業は、「エンドユーザー(消費者)の不便さや困ったことに耳を傾け、解決に導く事業創造を行い、その発展に伴い社会の問題を解決し、貢献できる企業として成長する」というグループ経営理念に基づいて展開されている。そのためには、24時間365日対応できるというプラットフォームだけでなく、エンドユーザーに寄り添い、細やかにケアできる多くのスタッフが必要不可欠だ。
あらゆる分野で人材不足が課題となりつつある昨今、社内のネットワーク基盤においても人的負担を軽減し、優れた人材がより活躍できる場を提供していく同社は、将来を見据えながら多くの人に向けて新たな価値を創造していくに違いない。

株式会社プレステージ・インターナショナル様