
DMM.com が掲げる「誰もが見たくなる未来。」を支える VAST Data
合同会社DMM.com 様
動画コンテンツの高画質化によるストレージ容量の肥大化
10年先を見据えたスケーラブルな基盤を提供するVAST Data
「誰もが見たくなる未来。」の裏側
DMM.comは、エンタメから教育、金融、テクノロジーまで多岐にわたる事業を展開し、会員数は4,500万人を超える。
「誰もが見たくなる未来。」をコーポレートメッセージに掲げる、「なんでもやれる」「なんでもやってる」総合インターネット企業だ。中でも動画配信事業は1998年からサービスを開始し、映画・アニメ・バラエティなど多彩なコンテンツを提供しており、多くのユーザーに親しまれている。
常に新たな挑戦をし続ける企業文化のもと、60を超える事業の中に動画配信事業が存在する。同社内の多くのシステムがパブリッククラウドへシフトする中、国内最大規模のデータ容量を扱う動画配信インフラは、その利用に伴う膨大なコストを考慮しオンプレミスでの構築、運用を続けている。

近年、動画コンテンツの高画質化に伴い、動画配信サービス基盤のストレージ容量が肥大化している。以前は数百TB~数PBのストレージ容量があれば数年持ち堪えることができたが、現在では年間約4PBずつ増加している状況だ。急速に拡大し続ける動画配信インフラは、デジタルコンテンツ開発本部 メディア基盤開発部 配信インフラグループの宮元氏と矢鋪氏を含めた4人のメンバーによって運用されており、基盤の管理に加え、採用する機器の選定から検証、導入までの全ての工程を担っている。従来の動画配信インフラのストレージでは、x86サーバを複数台組み合わせたSDSソリューションを使用していたが、近年のデータ容量増加から数百台規模に上るx86サーバを組み合わせたストレージクラスタを組む必要が出てきた。「ストレージの規模が大きくなるにつれてDisk障害時の対応や基盤拡張、バージョンアップなどの工数が増大し4人のメンバーで運用するには現実的ではないものになりつつありました」と宮元氏は語る。

このような課題から2022年に新たなストレージ基盤の検討を開始し、VAST Dataの採用に至った。製品選定にあたってはHDD製品、HDDとSSDを両方搭載したハイブリッド製品、オールフラッシュ製品の3種類から比較検証したという。大枠の要件としては、従来の動画配信基盤と同様、ファイルストレージとしての利用が可能であり、性能と価格の費用対効果が高いものを選定した。検討当初からオールフラッシュ一択だったというわけではなく、同社が想定するスループットとハードウェアの構成台数、それに比例する金額のバランスから候補を絞り込んでいった。また、宮元氏は小規模構成から徐々に拡張でき、拡張時に既存サービスへの影響が軽微であるポイントも重視したという。年間4PBずつ推移し、近い将来20PB規模に達することを見据えた点も重要な要素だった。
DMM動画の10年先を見据えて
最終的に次期基盤のストレージとしてVAST Dataを選定した理由を、宮元氏と矢鋪氏は口を揃えて「オールフラッシュの中ではダントツで安かったです」と語った。当然、HDD製品よりコストは上がるものの、パフォーマンスとのバランスから今後の運用にも耐えうるストレージとしてVAST Dataは最適な選択だった。また、徐々に拡張できる点も採用の決め手だったという。VAST DataのDASEアーキテクチャーであれば、性能と容量を分離して拡張することができ、提供中のサービスへの影響も最小限にとどめられた点も同社の環境にマッチした。5年先、10年先を見越すと、最初から大きな容量を持つより柔軟な拡張性を有している方が結果的に保守費用を抑えられるというわけだ。

デジタルコンテンツ開発本部
メディア基盤開発部
配信インフラグループ
宮元 裕樹 氏
宮元氏からVAST Dataの決め手をもう1つ聞くことができた。従来の基盤ではどんなに保守を延長しても最大7年ほどの運用が限界だったという。初期導入時のトラブルと次のリプレイスまでの移行期間を考慮すると、安定稼働期間は実質3年程度だ。対して、VAST Dataの10年保守は魅力的だった。さらに嬉しいことに、実際に導入してみると初期のトラブルがなく構築時の工数も大幅に削減できた。結果として既存のストレージ製品よりも素早く本格的な運用に入ることができたことから、10年間の保守期間を有効に活用できているという。この他にも、実際に導入してみて評価が高かったのは、パフォーマンスモニタリングが正確に実施可能な点であるという。これにより各SSDが発揮している性能から、将来的な容量推移の予測までを行うことができるようになった。従来の環境について矢鋪氏は「既存のストレージでは監視システムとの連携に綿密な作り込みが必要だった」と語る。VAST Dataは提供されているAPIから各種パフォーマンス情報や機器の状態を把握できるため、作り込みの量が減り、結果的に運用工数が低減したとい。また細かい点ではあるが、従来はストレージのログを取得し、ベンダーに提供する際、手動で機器にログインし、コピーを行うう必要があった。VAST DataではWeb UI上から簡単に取得できる。

VAST Data 技術の真価
VAST Data最大の特長でもある類似性データ削減についても尋ねてみた。「一般的なVDIやプライベートクラウド環境などで利用した場合と比較すると低いデータ削減率で推移していますが、エンコード済みの動画データは従来の重複排除・圧縮技術では、データ削減効果がほとんど出なかったことを考慮すると、20TB程度の容量削減ができているため十分な成果と言えます」と宮元氏は語る。さらに運用面については、VAST Dataはクラスタの規模に関わらず、バージョンアップにかかる処理時間に大きな差がなく、大規模環境に向いていると評価した。
1度だけSSDの故障に見舞われたが、問題なく交換も完了し安定稼働しているという。

デジタルコンテンツ開発本部
メディア基盤開発部
配信インフラグループ
矢鋪 知哉 氏
HDDからSSDへの切り替えだけでも性能が向上し、アプリケーション側の負荷が大幅に軽減され、従来の半分程度のサーバ台数でサービス提供が可能になった。Read要求が多く、PBクラスのストレージが必要なケースにおいてVAST Dataは非常に有用だという。データへのアクセス頻度に応じてティアリング機能を提供するベンダーも多いが、VAST Dataはそのような難しい構成を考慮することなくデータを管理することができるため、データ容量が多く、データの利活用状況を組織の意思決定に活用したいユーザーには特におすすめだ。

ノックスラボで検証を実施する宮元氏
巨大化するデータ:未来を築くデータ基盤とは
製品の導入にあたり短期間に複数のストレージを検証したが、リモートでノックスの検証環境を利用できた点も良かったと語る。検証機材の納品調整やセットアップ期間を削減でき、わずか2~3ヶ月で一通りの機能検証を済ませ、検討時間の短縮に成功した。
運用フェーズにおいてもバージョンアップにかかる時間をノックスの検証環境で事前に確認した上で臨むことができたため、作業計画が立てやすかったという。総じて、導入の段階から検証やサポートを一貫して提供することができるノックスの体制は評価が高く、VAST Data Japanと連携してさらなる品質向上を目指して欲しいというリクエストをいただいた。当然、コンテンツは日々増加していくため、既存基盤の拡張は継続的に実施する必要がある。そこで今後はVAST Data、ノックスから積極的にユースケースを紹介してもらい、データ利活用を検討していきたいとのことだ。VAST Dataならではの機能にも高い関心を寄せている。
例えば、動画編集のサポートやシミュレーションおよび分析を行うようなユースケースに興味を示している。また、動画配信インフラは大容量であるがゆえに、バックアップや遠隔地レプリケーションによるデータ保護のハードルが高い。単体でのランサムウェア対策の向上や、エンドポイントセキュリティ製品との連携にも期待したいところである。
今後、データの肥大化に伴うストレージ需要はますます高まり、インフラにはこれまで以上に柔軟性と拡張性が求められていく。VAST Dataの革新的なアーキテクチャーはDMM.comの先進的なサービスを支える強固な土台となり、次世代のエンターテインメント経験を加速させるだろう。次に動画を再生するとき、その裏側にあるテクノロジーに思いを馳せるのも面白いかもしれない。
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企業名合同会社DMM.com
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