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Datrium DVXシステム

第1回 シリコンバレー発 次世代ストレージカンパニー Datrium【前編】


Datrium
Datrium 本社

Datrium社は、シリコンバレー サンタクララに拠点を置く次世代ストレージのスタートアップカンパニー。USでの製品販売から1年を経過したDatrium社。

Datrium社 プロダクトマネージメントVPのレックス ウォルターズ(Rex Walters)氏にインタビューしました。Datrium社、製品の説明、業界動向などホットな情報を皆様にお届けします。



−はじめに、Datriumについて簡単に教えてください。


Rex Walters 氏
Datrium
プロダクトマネージメントVP
Rex Walters 氏

弊社は、プライベートクラウドのストレージの会社です。
現在、ハイパーコンバージド型の製品が流行っていますが、弊社の製品はその次を見据えた製品で、「オープンコンバージド」と呼んでいます。ハイパーコンバージドは基本的にハードウェアが決まっており、それしか使うことができません。 弊社のオープンコンバージドのオープンとは、オープンソースのオープンではなく、「オープンシステム」のことです。これはハードウェアロックインされることなく、お客様が好きなベンダーのサーバなどを自由に選択して使って頂くことができます。




−2016年2月の製品販売から約1年が経過しましたが、2016年を振り返っていかがでしょうか?

Record Customer Adoption: 70+ in Datrium's 1st Year!
Record Customer Adoption: 70+ in Datrium's 1st Year!

忙しかったですが、とても良い1年でしたね。弊社の製品は日本のお客様含めて70社以上に導入して頂きましたし、大きなアワードを受賞することもできました。


−ストレージ分野のスタートアップの会社は今までも色々あったと思いますが、販売開始から1年で70社という数字、とてもすごいことですよね。


私自身、いくつかの会社でスタートアップを経験してきました。私の経験で驚いたのは、通常のスタートアップの場合、例えばヘルスケア分野だとか特定の業種に偏って導入されるケースが多いのですね。
ですが、Datriumの場合、サービスプロバイダー、ハイテクノロジー、ヘルスケアなど業種を問わず様々な分野に導入されてきました。これは本当に驚きましたね。


−そう言えば、大きなFundingもありましたよね。

First Year Success
First Year Success

そうなんです。
2016年12月にSeriecCで$55ミリオンを完了し、トータルFundingで$110ミリオンになりました。シリコンバレーでは、2016年は大きなFundingはあまりありませんでしたが、これだけのFundingを獲得できたことは本当に素晴らしいことです。





−多くのお客様がDatriumを選択した際の決め手とは何でしょうか?

The Datrium Difference
The Datrium Difference

価格ももちろんありますが、メインはパフォーマンスとシンプルさですね。
特にシンプルさの部分は大きいと思いますが、シンプルさという意味は実はとても深い意味を持っています。

従来型ストレージとハイパーコンバージドがありますが、従来型のストレージはご存知の通り、LUNベースの管理や仮想マシン単位の管理の製品にはあり得ないくらいの差があります。
HCIは仮想マシン単位の管理はできますが、ちょっと別の問題があるのです。

データを格納する場所はサーバの中にあるんですね。小さいクラスタ環境であれば何とか大丈夫ですが、大きなクラスタになってくると、何か問題が発生した際のトラブルシューティングがとても難しくなってきます。 特にノード間で発生する横のI/Oに対するネットワークの複雑さを持っていると考えています。

シンプルさの部分で従来型のストレージとDatriumを比べると、全ての面においてシンプルさは勝っており、ハイパーコンバージドに対しては特にネットワークのシンプルさでメリットがあると考えています。
シンプルさ以外の部分で両方に勝っている点は、パフォーマンスですね。Datriumは100%のReadをローカルベースで提供できますから。


−会社の創業メンバーなど教えてください。

Datrium Team
Datrium Team

主にData Domain社とVMware社の出身者たちで作られた会社です。現在の従業員数は150名を超えています。そのうち、各分野の博士達が25名以上もいます。


−Data Domain社とVMware社出身者で作られた会社は他にもあると思いますが、同じような感じですか?

少し違いますね。
弊社の創業者でありCEOのBrian Biles 氏は、もともとData Domain社の創業者でもありました。
また、同じく創業者でありCIOのDr. Hugo Patterson 氏もData Domain社の創業者の1人で、重複排除テクノロジーを開発したメンバーでもあります。
そして、VMware社出身のBoris 氏やGanesh 氏は、VMwareの初期の頃から開発に携わってきたプリンシパルエンジニアたちでかなりの有名人たちですね。


−Datriumという会社名の由来を教えて頂きたいのですが。


Brian Biles
Datrium
CEO
Brian Biles 氏
Datrium

意味は特にありません。
先ほどお話しましたが、弊社の創業者でCEOのBrian Biles 氏をはじめとする創業メンバーは、重複排除バックアップストレージを世に送り出したData Domain社の創業メンバーでもありました。
実はData Domain社の創業時、Datriumという名前を社名にする予定だったのですが、この名前を別の小さな会社が使っていたため、Data Domainという社名になったのです。 そして時を経て、現在の会社を立上げる際に昔使用したかったDatriumの名前が使用できることになり、この社名になりました。






−Data Domainは日本でも幅広く知られていますが、もしかしたらDatriumという名前だったかもしれないとは面白い話ですね。 そして、時を経て、Data Domain社創業時に使いたかった名前を使用するとは、現在の社名にはとても思い入れがあることがよく分りました。




−Rexさんが加入した経緯と現在の仕事の内容を教えてください。

Rex Walters 氏

先ほどお話した通り、私自身もいくつかのストレージの会社でスタートアップを経験してきました。ストレージに関する私の意見は、まず仮想単位の管理は本当に大切と考えており、同時に従来のアレイ型のストレージではなく、 サーバ側で動作させる「サーバパワー」の方向に向かう必要があると考えていました。

Datriumは本当によく考えられた製品でした。従来ストレージのコントローラ側で実行していたI/O処理や重複排除、圧縮などをサーバ側で実行させながら、Durable(永続的)データをシェアしてそこにデータをまとめるという考え方は、本当に凄いと考えたからです。


−現在の仕事の内容を教えてください。

プロダクト管理と呼ばれる仕事を担当しています。
色々とあるので難しいのですが、お客様と会話し、利用しているアプリケーションや現在の問題点などをヒアリングし、必要とする機能や要件などお客様のRequirementを確認し、お客様のニーズを開発部隊にフィードバックすることがメインです。
開発部隊は、もちろん開発方法について熟知していますが、お客様が必要としている機能や要件など現場は見えていません。営業部隊からの意見なども集約し、開発部隊にフィードバックしながら、今後の製品開発の方向性や優先順位などをマネージメントします。
製品リリースに向けた営業やお客様向け資料作成といった外向けの仕事もしながら、次の製品に向けたRequirementの確認と開発へのフィードバックといった内向けの仕事も同時に行う必要があります。
とても大変ですが、やりがいはありますね。


−最近のストレージ業界のトレンドについて教えてください。

The End of the SAN Era
The End of the SAN Era

分りやすいトレンドでは、クラウド風のIT管理ですかね。
というのはご存じだと思いますが、ほとんどのアプリケーションが仮想になりました。VMwareだけではなく、Dockerなどがありますが、今はほとんどのアプリケーションがクラウド風に管理されており、これらは基本的にはハードウェアにはフォーカスしていないんですね。

以前はアプリ、サーバ、ネットワーク、ストレージのようにそれぞれに管理者がいたのですが、現在はそのような時代ではなく、ある管理者が全てを管理しなければいけない時代になりました。ですから、シンプルさというのは本当に大切になってきているのです。

従来型のファイバーチャネルやiSCSIなどのアレイベンダーの売り上げが減少しているわけですが、やはり今の時代にはマッチしていないからですね。Nutanixも上場しましたし、DellがEMCを、HPがNimble StorageやSimplivityを買ったりと、統合が加速されており、ここ数年でストレージ業界もさらに変わっていくと思いますね。



> 次回に続く

公開日:2017.4.12

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