「クラウドをもっと高速に、もっと高コストパフォーマンスに」ユーザー企業からの要望に応えたTintri VMstoreシリーズ【前編】 |
導入の課題
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SLA(Service Level Agreement)99.999%という業界最高水準のサービス品質を保証するIQcloud。これは日本におけるインターネット普及の黎明期からホスティング事業とセキュリティ事業を展開してきたパイオニア企業、GMOクラウド株式会社が企業向けに展開するクラウドサービスの名称だ。
高いセキュリティと可用性を兼ね備えたIQcloudは、「クラウド、エンタープライズ、グローバル」の3つの柱を掲げて様々な事業を展開するGMOクラウド株式会社のエンタープライズ事業の1つ。
エンタープライズ営業本部 本部長 金子 眞治氏は、このサービスを「信頼性を重視した、企業のマシンルームとして活用して頂くためのもの」と考えている。
しかしGMOクラウド株式会社は、IQcloudを利用するあるユーザー企業から「サービスをもっと高速に」との要望を突き付けられる。高速サービス実現のためストレージを共用ではなく、自分たち専用に用意して欲しいと要求されたのだ。
もちろん、それまでのIQcloudのスペックも決して低いものではない。ほとんどの企業を満足させ得るものだった。ところが件のユーザー企業は、GMOクラウド株式会社の想定を超える高負荷な使い方をしていることが発覚。大規模なデータベースをいくつも構築し、クラウド上で様々なサービスを利用していたのである。ストレージの負荷は高い状態が続いていた。
GMOクラウド株式会社 エンタープライズ営業本部 本部長 金子 眞治 氏 |
「これまで弊社クラウドサービスの標準ストレージに求められていた要件とは異なるものでした。そのお客様の場合、ボトルネックになっていたのはストレージのスピードでした。従来の設備のまま専用ストレージを用意したとしても、お客様の要望に応えることはできません。つまり、新しい高速なストレージが必要になったのです」(金子氏)
このまま何もできなければ、特定のユーザー企業が掛ける負荷の重さが、同じストレージを利用している他のユーザー企業にも悪影響を与えかねない。採算を度外視すれば新製品を際限なく導入して、サービス全体の処理性能を高速化することはできる。しかし、現実にはコストパフォーマンスの問題がある。
何か良い打開策はないものか―。
その時、「Tintri VMstoreシリーズ」のことが金子氏の脳裏をよぎった。ヴイエムウェア社主催のイベントでノックスブースを訪れた際に知った製品だ。
「Tintri VMstoreシリーズは、SSDとHDDを併用し、VMware専用にチューニングを施したストレージで、とにかく高速なIOとコストパフォーマンスの良さが印象に残っていました。他社製品にも高速なストレージはありますが、Tintri VMstoreシリーズに比べると高価でした。性能とコストを考慮すると、Tintri VMstoreシリーズは唯一の選択肢と言えました」(金子氏)
金子氏は早速ノックスから検証機を借り、パフォーマンスや運用管理についてチェックを行い、「これならお客様の要望に応えられる」と判断。検証からわずか2ヶ月後には本格導入に踏み切った。このような短期間での導入が実現した背景には、ノックスの検証機の貸出や納品における迅速な対応もあったと言う。
金子氏の読み通り、導入後にストレージの性能は向上し、パフォーマンスは従来に比べて数倍に強化された。これにより件のユーザー企業は、分散していたデータベースを集約し、さらには以前より負荷の高いサービスを始めることができた。
後編では、劇的なサービス改善をもたらした「Tintri VMstoreシリーズ」の導入効果について記述する。