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製品情報

クラウド型Webセキュリティソリューション Zscaler

導入事例 - ディップ株式会社

ZIA、ZPAにより、開発エンジニアも含めた2,400名以上のユーザーの 在宅勤務を快適で安全に。〜100名の社内アンバサダーによる検証と効果測定〜

人材サービス大手のディップは、回線逼迫解消のためにインターネットとSaaSへの高速でセキュアなアクセスソリューションを検討していた。その過程で全従業員に在宅勤務が許可され、内部業務アプリケーションへの効率的なアクセスも必要になったことから、Zscalerソリューションを導入することにした。全従業員2,400ユーザー、約3,300台のPC、2,200台のiPhoneへの展開が完了し、従業員はインターネットとSaaS、内部業務アプリケーションに高速かつセキュアにアクセスして、安定的に業務を行う環境が実現した。

従業員ファーストでシステム化SaaSを積極的に活用し、効率的に業務を展開


ディップ株式会社 植木 克己 氏
ディップ株式会社
取締役CIO 兼
商品開発本部長
植木 克己 氏

ディップは、1997年に設立された、インターネットの家庭普及率18%という黎明期に、求人業界初のポータルサイトを誕生させ、現在は人材サービス事業、DX事業を展開する会社だ。労働力不足が深刻化する中で、今後多くの仕事がデジタルレイバーに置き換わるといわれる中、同社では2019年から“Labor force solution company”をビジョンとして掲げ、DX事業本部を立ち上げた。そして、人を企業にマッチングさせていく事業から、人とデジタル技術で労働力の問題を解決していく「労働力の総合商社」への飛躍を目指している。「人がやらなければならないことは人がやり、人がやらなくてもよいことは機械に任せていきます。これからの仕事のほとんどは両方の組み合わせになると考えていて、ノウハウを蓄積して、競争優位を築きます。現在、DX事業は順調に業績を伸ばしていて、2025年の売上は人材サービス事業とほぼ半々にしていく計画です」とディップ 取締役CIO 兼 商ー品開発本部長植木 克己氏は語る。


ディップでは求人情報サイトの関連システムについて、早くからクラウド化に取り組んできた。その上に勘定系など社内向けシステムもクラウド化すると共に、近年登場しているSaaS型で使いやすいサービスも積極的に活用している。「情報システム部では全従業員がユーザーだという考え方のもと、従業員ファーストでシステム化、DX化に取り組んできています。その観点で考えると、クラウドは手間もかからず、機能も進化し続けるので、情報システム部は従業員の生産性向上や働きやすい環境を作るための業務に集中することができます」(植木氏)。


SaaS利用でトラフィック急増対策と合わせて在宅勤務でのVPNの不安定さ解消も必要に


ディップ株式会社 鎌田 昌樹 氏
ディップ株式会社
 情報システム部インフラ運用課 
課長
鎌田 昌樹 氏


従来、ディップでは境界防御の仕組みでセキュリティ対策を行い、社内ネットワークの安全性を確保してきた。38カ所ある拠点はデータセンターに接続を集中させ、ゲートウェイのファイアウォールを通して、外部と通信してきた。ところが、2018年頃からSaaSの利用が拡大する中で、回線が逼迫し、帯域幅を拡大しても、トラフィックの増加に対応できない状況が生まれた。そこで考えたのはSD-WANを導入し、拠点からインターネットブレイクアウトさせて、トラフィックを分散させるやり方に切り替えることだった。「ただいくら分散させてもWebフィルタリングがないとセキュリティを担保できません。それを可能にするソリューションを調査し、Zscaler Internet Access (ZIA)をはじめ、いくつもの製品があることを知りました」とディップ情報システム部インフラ運用課 課長 鎌田 昌樹氏は振り返る。

ディップ株式会社 佐々木 健夫 氏
ディップ株式会社
情報システム部インフラ運用課
佐々木 健夫 氏

以前は、従業員はオフィスに出社して、仕事をするのが標準的だったため、VPNの利用は外出先にほぼ限られており、利用者は全従業員2,400人の内500人ほどだった。ところが2020年春、新型コロナ感染拡大に対応して全従業員を在宅勤務中心の働き方に切り替えを契機に全従業員にWeb会議システムを導入した。その後、従業員が自宅からのリモートアクセスで、VPNの接続速度が遅いため、Web会議システムで画面のフリーズなど、仕事に支障を来す問題が発生した。「以前から全員が利用するテレワーク環境を継続して利用した場合には、VPNの遅延によるパフォーマンス劣化が大きな問題になる事を懸念していました。そこでVPNと比べて接続速度が圧倒的に速くなり、ネットワーク管理もSaaS側に任せることができるZscaler Private Access(ZPA) を上司である鎌田に推薦したのです」とディップ 情報システム部インフラ運用課 マネージャー 佐々木健夫氏は振り返る。


Windows、Mac、iOSへの対応とコネクションサーバーの拡張性で選定


そこで、ディップでは、ZscalerのZIA、ZPAと複数の製品を比較検討し、最終的にZIAとZPAの導入を決めた。Zscalerを選んだ理由は、社内で利用しているWindows PC、Mac PC、iPhone(iOS)のいずれにも対応していること、コネクションサーバがシームレスに拡張できることだった。「他社製品では、iOSに未対応であったり、コネクションサーバのバックアップと拡張性に課題がありました。比較検討した結果、Zscalerの性能と機能は際立っていて、グローバルクラスの多くの企業で実績を持つ理由を感じました」(鎌田氏)。


経営側からは、この製品の導入により従業員がどれだけ仕事がしやすくなるのかを実証して欲しいという要求が出された。そこで情報システム部では製品の実証検証(Proofof Value(POV))の実施を計画し、2020年10月から検証作業を始めた。


ディップではSaaSなどを新たに導入する際には、課ごとに1名ずつ全社で100名ほどのアンバサダーと呼ぶ対象とするサービスの機能や性能を評価できる担当者を決め、実際にサービスを利用して評価を行う。今回も100名のアンバサダーに、ZIAによるインターネットとSaaS、ZPAによる内部業務アプリケーションへのアクセス評価を実施し、問題点や課題を洗い出していった。「AIやRPAの開発を担当するDX事業本部と求人サイト『バイトル』や『はたらこねっと』などの開発を担当するシステム開発部は数多くのツールを使用しています。DX事業本部とシステム開発部をはじめ、全ての部署からのフィードバックをひとつずつ対応し、約2カ月で全ての課題をクリアし、問題なく利用できる状態にすることができました」(佐々木氏)。


高いユーザビリティとリモートアクセスの高速化で、ユーザーは高く評価


ディップでは2020年12月から、ZscalerのPCへの導入展開を開始、VPNからの切り替え要望が最も強かったDX事業本部の約200ユーザーに1週間ほどで一気に導入した。それ以降、部署ごとに導入を進め、3カ月で全従業員2,400ユーザー、約3,200台のPCでZscalerが利用可能となった。その上で、2021年4月からの2カ月間で、2,200台のiPhoneへの展開も完了させた。「当初、Zscalerのソリューションはセキュリティ対策で導入する予定でした。ところが、現場からは接続までに時間がかかり、通信速度も遅いVPNが抱える問題も解消されて、社内から高い評価が多く寄せられました。結果として、守りのセキュリティと攻めの生産性向上の両方を実現できたわけです。従業員ファーストをモットーにする情報システム部として、Zscalerは正に最適なソリューションでした」(植木氏)。


ユーザーの評判は非常によい。ネットワークの遅延がなくなったことに加えて、VPN接続の時間が大きく短縮されたことが大きい。今まではVPN接続に待ち時間が発生し、ユーザーの大きなストレスとなっていた。


Zscaler導入後はすぐにアプリケーションへアクセスでき、作業を開始できるようになった。


ゼロトラストネットワークで、更なる利便性向上とセキュリティ強化を目指す


情報システム部にとっても、Zscalerの導入により、ネットワークトラフィックやVPNアプライアンスの管理が不要となり、業務負荷が大きく軽減した。またWebフィルタリングにより、マルウエアや高度な脅威に対するセキュリティ対策としても大きな効果が期待できる。実際、アプライアンスの場合には、ユーザーの追加にもライセンス調達などが必要で、約1カ月弱が必要だった。それに対してZscalerはユーザーの追加もシンプルで、調達に時間がかからず、プラットフォームの管理もZscaler側で自動的に行われるようになっている。


「ディップではオフィス勤務でも、在宅勤務でも生産性向上を推進するために、様々なSaaSの導入・活用を図っています。今後は、まだ利用していないZscalerの機能やサービスを活用して、ゼロトラストネットワークの推進とユーザーの利便性向上、セキュリティの強化を図っていく考えです」と植木氏は抱負を語る。


構成図
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企業プロフィール
■会社名 ディップ株式会社
■所在地 東京都港区六本木3-2-1 六本木グランドタワー31階
■事業内容 人材サービスおよびDX事業
■URL https://www.dip-net.co.jp/
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